「プロ弁護士の心理戦で人を動かす35の方法」どんな相手と交渉する時も冷静さが必要

 

 

強盗が相手でも交渉することができる。
この考え方が本書の中で最も記憶に残り
参考になった考え方です。
強盗の目的は何でしょうか?
それは現金を奪うこと、その後警察に逮捕されないことです。
クレジットカードや身分証は目的ではありません。
強盗に襲われた自分にとって最も避けたいことは、財布も携帯電話全てを奪われること。もちろん現金も全てを守ることができれば最善であるが、最悪のケースだけは避けなければならない。自分のメリットだけを主張しても相手は納得してはくれない。
一方で強盗犯からすると、カード等足がつくものは必要がない。現金のみが必要。直後に警察に通報されるのは逃走時間が稼げずに避けたい。
手持ちの現金と携帯電話の電池のみを渡せば双方にとって納得のいく結論となる。

強盗犯ですら交渉の余地があるのだから、聞き分けの悪い頑固な上司とも必ず交渉ができると考えるようになった。
こう考えることの最大のメリットは自分が冷静になれること。
感情が先走り物理法則を覆すことを指示する上司が多数いる。自分の指示が論理的に破綻していることに気付いても、自分が振り上げた拳を納めることができずに指示がますます非論理的になる。
そんな上司と相対する時にまずは冷静にならなければならない。感情で話す上司に感情で対処すると、人事権を持つ上司に勝てるはずがない。
まずは上司の感情を処理する。感情的になっている原因を解決する。
その後で交渉する。
今判断すればメリットがあるなどタイムリミットを意識する。
先にこちらから与えて相手に罪悪感を抱かせる。
議論や作業を共同で行い疎外感を感じさせない。
間違っても取ってはいけない手段は上司の人間性やリーダーシップを否定するような発言。反論する場合は方向性を修正する時のみ。

相手の感情は自分に移ります。間違っても上司の怒りに侵食されないためには冷静でいることが必須です。いくら悪質な上司でも強盗犯よりかはマシなはず。交渉の余地は必ずあるはずです。

そういう冷静さを教えてくれた一冊でした。